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「潜伏キリシタン」とは、禁教期にも16世紀半ばに伝わったキリスト教の信仰を続けていた人々のことです。 |
「潜伏キリシタン」とは
キリスト教禁教期の日本において、ひそかにキリスト教由来の信仰を続けていた人々のことを「潜伏キリシタン」と呼ぶ。なお、禁教が行われる以前にキリスト教に改宗した人々のことを、同時代の日本ではポルトガル語由来の「キリシタン」と呼んだ。
日本の一般社会や伝統的宗教と共生するために、表向きはキリシタンではないふりをして農民や漁民として生活しつつ、ひそかに共同体を維持して自分たち自身で信仰を実践した。そのような社会的潜伏を続けるために、キリスト教由来の聖画や信心具を秘匿しつつ、一見するとキリスト教とは無関係なものに自分たちの信仰を重ねて拝み、在来宗教を装うことが容易な場所や人が近づかない未開地を開拓して移り住むという特徴的な文化的伝統を育んだ。この潜伏キリシタンによる文化的伝統は,キリスト教が解禁されるとともに徐々に変容し,各集落においてカトリック教会堂が建設されることによって,可視的にも意味的にも終焉したと考えられている。本資産は,この潜伏キリシタンによる特徴的な文化的伝統の形成・展開・終焉を示すものである。
また、キリスト教が解禁となった19世紀後半以降も引き続き潜伏キリシタン以来の信仰を続けた人々のことを「かくれキリシタン」と呼んでいる。